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仮想通貨の取引所と販売所の違いとは?
仮想通貨は、「暗号資産交換業者」を介して取引を行うことが一般的です。
日本の場合、「暗号資産交換業者」は金融庁・財務局に登録されている場合に、日本国内の居住者に対して、暗号資産の取引サービスを提供することができます。
そのため、金融庁に登録されていない交換業者は、違法もしくは架空業者という可能性もあるため、しっかり把握しておきましょう。
そして、「暗号資産交換所」にて、「仮想通貨取引所」と「仮想通貨販売所」の2ヶ所から購入する方法があります。
「取引所」と「販売所」の違いは、
・取引にかかる手数料(スプレッド)の違い
・取り扱う銘柄が違う
他にも、「販売所」と「取引所」では、一体どんな違いがあるのか見ていきましょう
取引所
「仮想通貨取引所」は、仮想通貨をユーザー(お客先様/投資家)同士が売買します。
取引所の場合、ユーザーの注文量を表示する「板」を使い、暗号資産交換業者の注文板を介して、ユーザー同士の取引を行う方法になります。
そのため、売主は市場に参加しているユーザーになります。
販売所
「販売所」とは、”暗号資産交換所”が暗号資産を販売しているため、取引相手が暗号資産交換所となります。
そのため、日本国内で金融庁に登録されている、主な「販売所」は
・ビットフライヤー(bitFlyer)
・コインチェック(Coincheck)
・GMOコイン
・DMM Bitcoin
・ビットポイント(bitpoint)
・ビットバンク(bitbank)
・ザイフ(Zaif)
になります。
そのため、売主は「販売所」として登録されている暗号資産交換業者となります。
仮想通貨取引所と販売所のメリット・デメリット
メリット
インターネット上で24時間365日取引が可能
株式やFXはマーケットがオープンしている間でなければ購入することができません。
しかし、仮想通貨の場合、パソコン・タブレット端末・スマートフォンがあれば、曜日・時刻を気遣う必要がなく、いつでもどこでも購入することが可能です。
少額の自己資金から始められる
日本円で500円から購入することができる仮想通貨販売所もあるので、誰でも手軽に簡単に仮想通貨を購入することができます。
ただし、現在のマーケット状況では、500円の投資でハイリターンは望めませんが、500円でもプラスになる可能性は十分にあります。(※注:投資は自己責任ですので、購入する場合は自己責任になります。)
入出金などの処理が速い
日本円などを口座に入金した場合、数分〜数十分程度で口座に入金が確認され、そのまま仮想通貨を購入することができます。
また、販売所・取引所によっては購入手数料や入出金、送金などの手数料が無料の所もあるので、口座選びは賢くお得に選びましょう!
デメリット
不正アクセスによる漏洩リスクがある
仮想通貨取引所は、セキュリティー対策がまだまだ脆弱といわれています。
金融機関や証券会社の基幹システムは強固なセキュリティー対策が施されているため、不正アクセスや情報漏洩などがほとんどありません。
しかし、仮想通貨取引所の取引システムには金融庁の定める規定がないため、外部からの不正アクセスによって、外部流出する事件が複数発生しています。
仮想通貨取引所のコインチェック社は2018年1月に580憶円相当の「NEM」が不正流出した事件がありましたが、流出した原因がセキュリティー対策に問題があったと公式発表しています。
そのため、金融庁に登録された取引所・販売所で仮想通貨を購入したからといって、流出するリスクが低いという訳ではありません。
もし、購入した仮想通貨(暗号資産)を絶対に流出させたくないという方は、コールドウォレットと呼ばれるインターネットと完全に切り離されたウォレットに保管しておくことがオススメです。
監督官庁による法規制リスクがある
仮想通貨取引所・販売所に対する法規制が厳しくなる可能性があります。
たとえば、1日の取引額の上限規制がかかることが無いといえません。
さらに、2021年9月21日に中国人民銀行(中央銀行)は、仮想通貨の関連事業を全面禁止すると発表し、仮想通貨(暗号資産)の決済や取引情報の提供など関連するサービスが全面的に禁止され、既に中国国内での仮想通貨(暗号資産)取引所を閉鎖させ、国内での取引を禁じています。
そのため、日本もいつ同じ状況が起こってもおかしくないというリスクもあります。
取引所のメリット・デメリット
取引所のメリット
手数料(スプレッド)が安い
取引所では、ユーザー同士の売買取引のため、スプレッドが生じにくくなっています。
ちなみに、コインチェックのビットコイン取引手数料は無料で、bitFlyerの手数料は最大で約定数量の0.15%と各業者によってさまざまな手数料が設定されています。
成行注文・指値注文ができる
「成行注文」は、価格を決めないで注文することで、「成行売り注文」の場合一番高く買い注文をした人と取引を結び、「成行買い注文」では一番安く売り注文した人と売買できます。
「指値注文」は自分が指定した価格で、その額になった時に取引が成立するという方法です。
海外取引所は銘柄が豊富
日本国内の取引所は取り扱い銘柄が20〜30程度と少ないですが、海外取引所は多いところで300以上の取り扱い銘柄があります。
そのため、海外の取引所では、日本国内で取り扱っている銘柄以外にも、さまざまなアルトコインの銘柄が取り扱われています。
もし、仮想通貨のトレードやNFTゲームに参入したいという場合は、海外取引所の口座を開設することをオススメします。
通貨を両替しやすい
海外の取引所では、保有している通貨を別の通貨にコンバートする機能もあるため、取り扱いされている欲しい通貨に両替することが容易にできます。
バイナンスの場合、取り扱い銘柄が業界最大級で、一般的にはチェーンが違う場合はブリッジと呼ばれるチェーン変換をする必要がありますが、バイナンスの場合はバイナンス内で保有している通貨で取り扱いされている通貨であれば、チェーンに関係なくコンバートすることが可能です。
取引所のデメリット
初心者には不向き
成り行き注文は割と買いやすいですが、指し値注文はある程度の操作と相場観が必要になってくるため、初心者にはハードルが高いです。
取引が成立しない
成り行き注文や指値注文は、ライバルとの価格競争となっているため、買い注文をしてもライバルの価格が高い場合はライバルの取引が成立してしまうため、取引が成立しない可能性があります。
販売所のメリット・デメリット
販売所のメリット
少額から購入可能
購入金額が500円からと、少額からでも購入することができるため、初心者でも参入しやすいです。
また、最近では仮想通貨の積み立て投資ができるため、少額でも毎月決まった額をコツコツ投資ができます。
購入手続き等が簡単
初心者でもわかりやすく、口座に入金し、残高の範囲から購入したい金額を入力するだけ仮想通貨を購入することができます。
そのため、取引所のような面倒な購入手続きが不要です。
たとえば、「コインチェック(Coincheck)」の場合、500円からでも購入可能で、購入したい金額を入力をするだけで、現在のレートを自動換算してくれるため、誰でも購入が簡単なので、これからビットコインを購入したいという方には一番わかりやすくて見やすい販売所の一つになります。
確実に購入できる
販売所が決めた価格で仮想通貨を売りに出しているため、注文したら即契約が成立し、仮想通貨を購入することができます。
購入したい金額を入力して購入ボタンをクリックするだけで確実に買えるから、ネットショッピング感覚で購入できます。
販売所のデメリット
スプレッドが高い
仮想通貨販売所の唯一のデメリットはスプレッドが高いことです。
そのため、短期売買などのトレードをしたい方には不向きです。
また、「購入手数料が無料」と表記されていますが、実際には購入価格にスプレッドが含まれている場合が多いため、価格としてはお得に安く感じますが、取引所と販売所で同じ金額を購入した場合、取引所の方がスプレッドが安いため仮想通貨の量が多く購入できます。
例)
ビットコインを500円分購入する場合(購入及び取引手数無料の場合)
販売所
BTC概算:0.00019BTC
レート:約2,630,000円
取引所
BTC概算:0.0002BTC
レート:2,500,000円
このように、同じ500円で購入する場合、購入できるBTCの量が違ってきます。
これは、販売所でBTCを500円分購入する場合、スプレッド(売値と買値の差額)が広めに設定されたレートで購入するようになっており、いくら売値が250万円だったとしても、買値価格が263万円と高く設定されているため、取引所よりも購入できるBTCの量が減ってしまいます。
そのため、いくら購入手数料が無料と表示されている場合でも、あらかじめ高めのスプレッド(買値260万円で売値240万円という20万円分の差額)によって事実上の手数料を支払っていることになりますので、しっかり覚えておきましょう。
まとめ
仮想通貨投資は、セキュリティー対策がしっかりしていないと流出リスクもあるため、自己防衛方法も身につけることが大切です。
もちろん、大手の仮想通貨取引所でもセキュリティー対策に力を入れていますが、不正アクセスを完全に遮断できる保証はありません。
そのため、流出リスクがあることも踏まえながらしっかり対策をとりながら投資することを意識してください。
また、投資は自己責任となりますので、リスクを十分理解して無理なく行いましょう。